無線LANと鉄筋コンクリート 
2007, December 19, , 12:45 AM - Report
 今年6月、学校の学生寮に無線LANを導入してほしいという依頼がありました。
寮は民間アパート7階建ての5階と7階の各フロアを占有して合計20室と各フロアに食堂が1室ずつあります。7階の管理室にルーターを設置して、そこから各階の共同利用の勉強室に置いてあるハブへ有線でつないであります。

 学生はそれまで共同利用の勉強室常設のデスクトップPCを利用したり、自分のノートPCを持ち込んでネット接続するという利用形態を守っていましたが、自室からいつでも利用したいという積極的?な学生が中にいて、管理人に見つからないように窓の外にケーブルを這わせてちゃっかり自分の部屋からネットにつなぐという事件が起きたそうです。そこで学校は無線LANを導入して便宜をはかるということになったのです。

 無線LANが希望でしたので各フロアの勉強室に2.4GHzの無線LANのアクセスポイント(IEEE802.11g/b)を1台ずつ設置する案と、電波が届かないことを予想して途中に無線LAN中継機を置く方法を提案しました。また、無線ではなくPLC(高速電力線通信)アダプタを使う構成も提案しました。
そもそも寮の構造は鉄筋コンクリートで、各フロアの勉強室はフロアの西側端で、真ん中に廊下があり両脇に個室が並ぶという配置になります(図1)。

 無線LANアクセスポイントに高利得で、指向性のあるアンテナを組み合わせればぎりぎり、最も遠い個室まで勉強室から電波は届きそうだと予測しました。鉄筋コンクリートであっても意外と電波は届くものです。例えば廊下を隔てた向かい合う部屋同士でも通信できます。ただし壁の中の鉄筋の構造にもよりますが。通信状態は100%快適は望めないのは当然ですが一応接続できるレベルであっても部分的であればOKということで進めました。
また、PLCアダプタを各部屋に1台ずつ設置するのは金額的に無線LANの2倍程度の負担になる見積だったため、これは予算的に無理ということでしたのでテストも行わずこの案は却下されました。

 設置は2段階に分けて、最初は中継機なしで導入して、接続不可の領域が出た場合は中継機を入れるという方針です。
 6月13日設置、導入した結果、7階は勉強室ではなく管理人室のルーター横に無線LANアクセスポイントを置くだけでフロアをカバーできました。ところが5階は廊下から見える勉強室の壁にアクセスポイントを設置しても全室カバーはできませんでした。廊下の中間くらいまでが限界でした。
 取り合えずこの構成で利用してもらって、後日中継機を設置することになりました。この追加は8月に行うことになります。

 今回の使用機材は以下のようになります。

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